カフェなどのお店を開いたり、独立して自分の会社の事務所を持つとなると、創業準備や開業資金としてある程度まとまった費用が必要です。
■開業に必要な費用
- 物件の賃貸料や保証金
- 内装工事費
- 電話やインターネット回線、パソコンなどの設備備品
■飲食店経営の場合、追加で必要となるモノ
- 業務用の冷凍・冷蔵庫や調理器具
- テーブルやイスなどの内装家具
- 食材の仕入れやお店の宣伝などの運転資金
事務所や店舗などの物件を借りるための費用は、賃料だけでなく保証金を支払わないといけないところが多く、地域によっては賃料1年分といったところも多数見られます。
開業費用や設備資金、運転資金はどんなに安く見積もっても数百万、数千万円単位でかかる場合も珍しくはありません。
そのため将来の開業を考えて、事業資金用に貯金している人もいるでしょう。しかし、それでも全額を自己資金だけで賄うのはなかなか難しいものです。開業資金が足りない分のお金を借りることも検討しなければなりません。
足りない分の開業資金はどのように調達するのか
開業資金を調達するにあたって、まずは友人や両親への借金を相談する人も多いでしょう。しかしそれでは足りないため、銀行からの融資を検討する人もいると思います。
しかし銀行は、これから個人事業を開こうとする実績のない人への融資は厳しいのが現状です。ノンバンク系のところから借りれば審査は多少甘くなりますが、高金利のため利息の支払いが経営を圧迫する恐れがあります。
ではどのような方法で開業資金の融資を受ければいいでしょうか?現実的な方法として、2種類の手法が考えられます。
開業資金の融資方法
1,国からの融資を利用する
1つ目の方法は、日本政策金融公庫からの融資です。かつての国民生活金融公庫(国金)である政府系の金融機関で、一般の金融機関から融資を受けるのことが困難な事業者に資金を融通することが目的の金融機関です。
銀行で融資を受けるのが難しい新規創業者にも融資を積極的に行います。しかも金利が低いことにも注目です。だいたい2~3%くらいの金利設定で返済負担もそれほど大きくはありません。
利用目的も事業資金であれば、店舗の新築や増改築、運転資金や設備資金など幅広く利用できます。ただし、店舗つき住宅を購入する場合の住宅部分や、株式会社などの法人設立の資本金などは対象になりません。
また自宅が住宅ローンの抵当に入っている場合の不動産担保や、審査にあたっての保証会社の利用など、具体的な相談は日本政策金融公庫ホームページの「事業資金相談ダイヤル」に問い合わせてみましょう。
日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp
2.地方自治体からの融資を利用する
2つ目の方法は、制度融資です。日本政策金融公庫からの融資と似ていますが、こちらは地方自治体がそれぞれ独自に行う創業融資制度で、自治体と信用保証協会と金融機関の三者が協力して中小企業の資金調達を図ろうとする仕組みです。
各自治体によって金利をはじめとする借入内容が異なります。店を出すところを管轄している自治体の条件をまずは確認しましょう。
制度融資の仕組み
制度融資は銀行が自治体からの援助を受けてお金を貸し出す仕組みで、厳密にいうと銀行から借り入れする形となります。金融機関経由で信用保証協会の保証の申し込みがなされ、保証が通れば金融機関の審査も通過し、希望融資額通りの融資額を受け取ることができます。
また信用保証協会が会社を保証しますので、個人事業主の場合は原則連帯保証人は不要です。その代わり、20万〜30万円ほどの保証料を支払うこととなります。
制度融資を利用するメリット
日本政策金融公庫と比べると、制度融資の方が金利が安いです。また、制度融資を利用して長く経営を続けることは、意外と重要なポイントといえます。というのも地元の銀行と自治体を介して接点が生まれるからです。
もし融資を受けてしっかりと返済を繰り返していれば、今後事業拡大をする時に制度融資で利用していた銀行から直接融資を受けられる可能性が高まります。
制度融資を利用するデメリット
3つの機関が審査をするため、融資実行までにかなり時間がかかることがあります。大体90日程度で融資が実行されるといわれているので、融資申込みの予定を早めに建てて余裕を持って手続きを行う必要があります。
また、借り入れできる融資額は自己資金までが限度のところがほとんどで、自己資金があまりに少ないと金融機関の審査の際に不利になります。
まとめ
今までの仕事の経験を活かして飲食店や美容室、理容室を開店したい人、まだ誰もやっていない業種にトライする人など、いろんな業種の方が開業を目指していると思います。
制度融資と国金両方をうまく使って、ぜひ開業を実現させてくださいね。