貸借銘柄に選定されると空売りを行えるようになる

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空買い、空売りの2種類の方法は信用取引と呼ばれています。この信用取引は一般信用取引と制度信用取引の2つに分けられており、利用しやすいのは一般の方です。制度信用取引で扱われている銘柄は、証券取引所の選定基準によって認められたものなので、金利などが低めに設定されています。選定基準は厳しいものですが、それを乗り越えている株なので信用が置けるものと言っても過言ではありません。この制度信用取引で扱われている株式は、全てが空売りを行えるわけではないのが特徴です。空買いのみで空売りに関しては対応していない株を貸借融資銘柄、空売りも問題なく行える株が貸借銘柄と呼ばれています。

空買いが問題なく行え、逆に空売りが出来ない株が存在しているのは、それぞれの仕組みが原因です。空買いはお金を証券会社から借りて株を購入し、任意のタイミングで売却することで差額を利益とする手法となっています。この時に購入される株は市場に流通しているものなので、お金さえあれば問題なく取引を行えるのが特徴です。一方で、空売りは証券会社から株を借りて市場で売却し、任意のタイミングで買い戻すことで利益を得るのが基本的な仕組みとなっています。空買いと大きく異なっているのは、まず証券会社は株を用意しなければいけないという点です。

そもそも、株の用意が出来ないのならばこの手法を利用して売買を行うことが出来ません。証券会社は、株が足りない場合には証券金融会社に株を貸し出すように依頼するので、貸借銘柄かどうかは証券金融会社から借りられるかどうかで決まります。もし貸りられない場合は空売りは不可、空買いのみに対応している貸借融資銘柄として使われており、選択肢が狭まるのが特徴です。この貸借銘柄に選定された場合の市場での影響は、基本的にはプラスと考えて問題ありません。

選択肢が広い程に利用しやすいので、出来高などが増える傾向にあるものの、株価が大きく上昇するような事態になることはまれです。この辺りの考えは投資家によっても異なっているものの、貸借銘柄に選定されることを嫌がるケースもあるので、絶対に良いこととは言えません。好材料の1つであることは間違いありませんが、業績などの他の要素より重要な材料とまでは言えないでしょう。また、空売りが出来るようになると大きく値下がりする場面で買い戻す動きが活発になる傾向があるので、急落が起こっても緩やかな値動きをするケースが多めです。

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