空売りを行う投資家が増えると逆日歩が発生しやすい

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空売り、空買いの2つは信用取引と呼ばれています。手持ちのお金より遥かに高い金額で取引を出来るなどのメリットがあるものの、一方でデメリットも非常に多いのが特徴です。まず、空売りにせよ空買いにせよ期間が定められており、基本的には6ヶ月以内に決済の処理を行わなければいけません。株価が値下がりすると判断した時には空売りを、値上がりすると判断した場合には空買いを行うのですが、必ず反対決済を行う必要があります。空売りは株を借りて売却しているので買い戻さなければならず、逆に空買いの場合はお金を借りて株を買っているのでそちらを売却しなければいけません。

儲けが出ている場合は問題ないのですが、予想とは逆の値動きをするならば損失を記録してしまいます。用意したお金より高い金額で取引が行えるのはメリットですが、一方でそのような莫大なお金を使っている場合は損失も大きく、一気に資産を失ってしまうケースも珍しくはありません。そして、空売りを利用する時にのみ発生するデメリットも存在しており、それが逆日歩です。空売りは、まず証券会社から株を借りるところから始めるのですが、市場に流れていない株が簡単に見つかるとは限りません。空売りを行える銘柄ならば問題なく利用出来るものの、証券会社の方で株を用意出来ない場合には証券金融会社から株を調達します。

証券金融会社は株式や現金を貸し付けるのが主な仕事ですが、それでも株が足りない事態に陥ってしまう可能性があり、その場合には銀行などの機関投資家から株を調達しなければいけません。当然ですが、機関投資家は無料で株を提供するわけではないので、ここで費用が発生してしまいます。逆日歩とは、このように株の調達にかかってしまう費用を、売り注文を行っている投資家の方が払う制度です。空買いの方は、証券会社が用意しなければいけないのは現金だけなので、逆日歩は発生しません。

正確に言うと、本来ならば空買いを行っている方が金利を払わなければならず、これが日歩です。しかし、空売りの注文が上回った場合には状況が逆転し、空売りを行っている方が空買いを行っている方に費用を払う、これが逆日歩となっています。逆に逆日歩がどれくらい発生するかは状況によって異なっており、基本的には株が足りなければ足りない程に負担が増します。その為、逆日歩が発生してしまうと反対決済で買い注文が入りやすく、株価が上昇するケースも珍しくはありません。

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