株式投資におけるテクニカル指標のひとつ、ボリンジャーバンドとは

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ボリンジャーバンドとは、アメリカのファイナンシャル・アナリストであるジョン・ボリンジャー氏が1980年頃に考案したテクニカル指標で、移動平均線を示す線とその線の上下に値動き幅を表す線を加えた指標のことを指します。統計学を応用した指標のひとつで、ほとんどの株価がそのバンド(帯)内に収まるということで、投資家の間に広く普及しました。

ボリンジャーバンドの計算方法は、±σ=n日の移動平均±n日の標準偏差、そして±2σ=n日の移動平均±n日の標準偏差×2、また±3σ=n日の移動平均±n日の標準偏差×3という計算式で算出され、標準偏差をσ=√(n×n日間の終値の2乗の合計−n日間の終値の合計の2乗)÷(n×(n−1))という計算式で求めます。期間を表すnには9日、20日、25日などが使用されることが多いです。

このように、非常に難しい計算式を用いるので気後れしてしまいそうですが、実際にこの指標を利用するのにこうした計算式を覚えて算出する必要はありません。ボリンジャーバンドの見方を知っていれば十分理解できます。

ボリンジャーバンドの中心線は移動平均線となります。この移動平均線の上に+σ・+2σ・+3σ、下に−σ・−2σ・−3σを示す線が引かれています。内側の+σと−σに挟まれたゾーンには約68%の確率で、外側の+2σと−2σに挟まれたゾーンには約95%の確率で、それぞれ株価が収まるとされています。それゆえ、株価がこれらのゾーンを逸脱する場合、買われ過ぎか売られ過ぎである可能性が高くなります。

要するにボリンジャーバンドは、株価の買われ過ぎ、もしくは売られ過ぎを判断するための指標ということになります。ボリンジャーバンドの原則では株価はバンド内に収まることになっているので、その範囲を逸脱している時は相場やトレンドに大きな変化が起きていることが考えられます。このことから、株価がボリンジャーバンドの上側にある時は「買い」であり、下側にある時は「売り」と見ることができます。とはいえ、ボリンジャーバンドが示す幅は、過去の一定期間における株価の推移をもとにしているだけなので、今後も必ず株価がボリンジャーバンドの範囲内に収まる保証はありません。出来高や業績の変化により株価が大きく動いている場合には、信頼性が低下する傾向があるので注意を要します。

ボリンジャーバンドの仕組みを理解している人は少ないですが、株式投資に有効に活用している人は多くいます。見方を覚えるだけなら初心者にも難しくないので、株価判断の一材料に利用する価値はあるでしょう。

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