株式投資で統計学を利用することが出来るのか

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統計学は学問の中でも特に有用なものです。様々な統計を取ることで、規則性を見出して今後の行動に役立てることが出来ますが、株式投資に応用することが可能かはやや疑問が残ります。統計学では主観を避けなければいけませんので、れっきとした事実からデータを集めていくのが基本です。これは例えですが、テクニカル分析は全く役に立たないといった意見がある場合に信用することは出来ません。この主張を唱える方の中では確かにテクニカル分析が役に立たなかったと考えられますが、統計学的には主観が入っているので役に立たない意見と分類出来ます。仮にテクニカル分析が役に立たない理由が明確であったとしても、やはり主観的な意見なので無視しても構いません。

しかし、仮にテクニカル分析が役に立たないと主張される方が10人中9人に上るならば、これは重要なデータと考えられます。基本的に統計学では、分母が大きい程に信頼性が増すので、100人、1000人、10000人とデータを集めることが出来るならば有用です。しかし、実際には株式投資で統計学を上手く利用することは難しく、その理由としてデータを集めづらい点が挙げられます。株式投資を行う方は増えてきてはいるものの、それでも大多数ではありませんので、身近に株を買っている人がいないケースも珍しくはありません。インターネットでは株をやっている方が交流することもあるものの、それでも明確なデータを取るのが難しいのは確かです。

先の例えを使うならば、テクニカル分析が役に立たないかどうかをアンケートして集めるのが非常に困難となっています。また、株式投資の難しいところは様々な要因が絡んでくる点であり、例えば買い方も一つではありません。担保を差し出して信用買いを行うこともありますし、注文方法も指値と成行があるので、公平なデータとはならない可能性が高めです。人によって考え方、買い方、状況などが大きく異なっているので、仮にデータを集められたとしても不完全になってしまいます。

もっとも、ゴールデンクロスやデッドクロスなど、実際に統計学が利用されている手法もあるので、全く役に立たないわけではありません。ゴールデンクロスは買いサインとして知られており、過去に多くの方がその効果を実感しているので、統計学的にはデータが取られているものと言っても良いでしょう。新たにデータを集めるのは難しいものの、先人の教えなどから理論を組み立てていくことは出来ます。

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