日々公表銘柄は信用取引が加熱した場合に登場する

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株式の売買を行う際のスタンダードな手法は、現物買いです。手持ちのお金を払って株式を買う、普段の買い物とほぼ同じ感覚で利用することが出来ます。この現物買いとは対照的に、お金を借り入れて株を購入する、あるいは株を売却するのが信用取引です。借金を行うので非常にリスクが高いものの、手持ちのお金が少ない場合でも大量の取引を行えるのが魅力となっています。特に、空売りとも呼ばれる信用売りを利用すれば、下落傾向にある銘柄を使って利益を上げることも可能です。信用取引が行われると信用残が表示されることとなり、これは決済が行われていない株式の数を表しています。

空買い、空売りを利用する場合には、例え利益が出なかった場合であっても6ヶ月以内に決済を行わなければならず、仮に投資家による決済が行われない場合には証券会社によって強制的な決済が行われるのが特徴です。つまり、信用残がある場合、それらは近いうちに決済が行われることを表しており、株価に影響を与えます。仮に空売りによって取引された株が10万あるなら、それらはいずれ強制的に決済が行われるので、その株の購入に繋がると判断することが可能です。実際には空売りと空買いの残高がどちらか一方に偏るケースは少なく、互いに交錯した状態に陥ることも珍しくはありません。

そのような場合に、証券会社は信用取引が加熱していることを公表するケースがあり、これは日々公表銘柄と呼ばれています。この状態になってしまうと、空売り残高と空買い残高が毎日公開され、株価が大きく動くのが特徴です。仕手株のような異常な状態に対する警告の意味合いで日々公表銘柄は発表されるので、取引に対して警戒感を示す方が増えます。また、日々公表銘柄に指定された後で高騰していた株価が一気に暴落してしまう、逆に一気に高騰するケースも非常に多く、注意が必要な状態です。

証券会社によっては、危険なのでこれ以上の空買いなどを控えるようにと通達が出るケースもあります。日々公表銘柄に指定される場合、買残高の対上場株式数比率が20%を超えているなど複数の条件を満たしていなければなりません。逆に対上場株式数比率が5営業日に渡って16%未満になるなど、幾つかの条件を満たせば日々公表銘柄は解除されます。しかし、条件を満たしていた場合でも証券取引所が必要だと判断すれば公表される、あるいは解除されないケースもありますので、市場全体の動きに注意しなければいけません。

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