介護保険料が払えない場合の対処方法

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近年、長寿大国ともいわれる日本では介護を必要とする方の人数も年々増えています。介護に伴うサービスや用品に係る費用は少なくないため、その費用が捻出できず十分な介護を受けられないことも起こり得ます。そのような事態に向けて介護保険制度がスタートしました。

対象者 第一号被保険者 第二号被保険者
対象者の年齢 65歳以上 40歳以上64歳以下
徴収方法 ■年金年額が18万円以上の場合年金から天引き
■年金年額が18万円未満の場合や年度途中で対象年齢となった人は納付書や口座振替にて直接納付
■会社員等は会社の健康保険料と同じく給与(賞与)から天引き
■国民健康保険の加入者は国民健康保険料と一緒に支払う

64歳までの第二号被保険者が未納になることはそれほど多くありませんが、65歳からは年金額によっては都度自分で納める必要があるため、未納は起こりやすくなります。

介護保険料を滞納するデメリット

督促される

市町村によって異なりますが、通常は納期限から20日経った頃から督促状が発送されます。督促状は通常その用紙もしくは同封の用紙で直接金融機関での納付が出来るので、届いたらすぐに納付するようにしましょう。それでも延滞を続けている場合には電話や訪問での督促も行われます。

延滞金や手数料がかかる

自治体にもよりますが、督促状の発送手数料として50~100円程度がかかることがあります。また、介護保険料に限ったことであありませんが、納期限を過ぎると延滞金がかかってきます。延滞金の利率も自治体によって多少異なるようですが、多くの場合納期限から1か月までが7%程度、それ以降が14%ほどとなっています。

差押えを受けることがある

延滞を続け、支払う意思を見せなければ預金や給与、不動産などを差し押さえられる可能性があります。

ペナルティがある

介護保険料を長期にわたって滞納すると、その期間に応じてペナルティが課されます。

■第一号被保険者の場合

納期限から1年以上滞納 利用料金の支払い方法が変わる
通常は介護サービス利用料金の1割のみ支払うところ、一旦全額支払わなければならなくなる。滞納が解消されれば申請によって9割分が戻ってくる。
納期限から1年6ヶ月以上 介護保険給付が一時的に差し止めとなる
利用した介護サービスの料金は全額自分が支払うことになり、申請によって戻る9割分も差し止めとなる。滞納を解消しなければ、その9割分が滞納分に充てられる可能性がある。
納期限から2年以上 利用料の自己負担金額が1割から3割に引き上げとなる
通常はサービス利用代金の1割を自己負担としていますが、2年以上の滞納をした場合、その自己負担金額が3割になります。なお、納期限から2年を過ぎると追納が出来なくなるので、そのような事態になってから慌てて納めても意味がありません。

■第二号被保険者の場合
すぐにペナルティが発生することはあまりありませんが、通常は給与から医療保険料と介護保険料があわせて天引きとなるため、それを滞納している場合、医療保険の給付が止まることがあります。また、事故などで急に介護が必要になったときに介護保険の給付を満額受けられない可能性もでてきます。

高額介護サービス費の払い戻しを受けられない

一か月の間に一定の上限金額を超えるサービス利用料の負担があった場合、申請により超えた分について介護保険料より「高額介護サービス費」が支給されます。要介護認定を受けた時点で、過去10年に時効となった介護保険料があると、内容に応じて自己負担金額が3割に引き上げられ、また高額介護サービス費を受け取ることが出来なくなります。

介護保険料の支払いを待ってもらうことは可能なのか?

基本的には介護保険料はその納期限に納めることが求められてますが、早い段階で市役所などに相談することで支払いに猶予をもらえる可能性があります。漠然とした猶予ではなく、保険料を用意できる見込みをしっかりと示し、支払いをする意思を見せることで対応してもらえることがある、というものです。資金を用意できる予定があるのであれば、出来るだけ早く相談してみましょう。

滞納している介護保険料の免除は可能なのか?

65歳以上の第一号被保険者の場合、一定の条件を満たせば介護保険料の免除を受けられる場合があります。滞納分についても適用されるかどうかは市町村によって異なるので問い合わせてみてください。

第一号被保険者が介護保険料を免除されるケース

条件 免除期間 必要な物
災害により住宅・家財に損害を受けたとき 6か月間 り災証明書
監獄・労役場に1か月以上拘禁されたとき 収監日を含む月から、出所日を含む月の前月まで 在所(在監)証明書
世帯の生計維持者が死亡した時 6ヶ月間 死亡を証明する書類
世帯の生計維持者の収入が障害や長期入院により減少した時 6か月間 入院証明書・診断書など
世帯の生計維持者の収入が倒産や失業により減少したとき 6か月間 離職証明書・雇用保険受給資格者証・廃業の証明となる書類など

また、第二号被保険者の場合、保険料は健康保険料から一緒に徴収されているため、会社の健康保険に入っている方が滞納するということはほとんどありません。国民健康保険の加入者は、国民健康保険料を滞納することで介護保険料も滞納となります。国民健康保険料の免除についてはその市町村によって異なりますが、上記と同様に災害や急な失業などが免除の条件に当てはまることが多いでしょう。

このほか、条件を満たせば減額で対応してもらえることもあります。ただし先ほども書いたようにすでに滞納している場合には減額や免除の対応が出来ない場合もあるので、支払えないとわかった時点で出来るだけ早く相談してみましょう。

介護保険料の未納分の分割払いは可能なのか?

支払いを待ってもらうことにも似ていますが、分割払いも相談によって対応してもらえることがあります。未納分の分割払いということで、確実に支払う意思を見せることが大切です。生活が困窮していて、給与の中から少しずつであれば支払いが出来る、年金の中から少しずつ支払いが出来る、といった具体的な内容を示し、誠実に相談してみてください。

滞納している介護保険料に利息はつくのか?つくならどれぐらい?

延滞金については市町村によって異なる部分もありますが、多くの市町村で、「納期限から1か月以内:7.3%」「納期限から1か月を超えた期間:14.6%」という利率になっています。実際に延滞金が付くタイミングはその自治体ごとに異なるので、具体的な金額を知りたい方は自治体の公式HPをチェックするか、電話などで問い合わせをしてみてください。

介護保険料が払えないときの良い対処方法

市町村に相談する

介護保険料が支払えないとわかったら、出来るだけ早く自治体に相談してみましょう。分納や猶予も早いうちのほうが誠実とみなされ受けてもらえる可能性が高いようです。相談に行く際には、納付できる時期の目途、入金予定の具体的な内容を明確に伝え、誠実な態度で臨むことが大切です。

家族や親せきに相談する

もし実際に介護を必要とすることになった場合に、介護保険料を滞納していたために大きな負担を抱えるのは周りの家族です。家族に負担を残さないためにも、支払えないことを正直に話し、お金を貸してもらえないか、何か良い方法はないかなど話し合ってみましょう。もし貸してもらえることになった場合には、返済の目途をしっかり伝え、身内であっても借用書を残すことでトラブルを防ぐことになります。

カードローンなどを使う

返済の目途が立てられる場合には、手持ちのカードローンやクレジットカードで一時的に借りることも一つの方法です。借入に際して利息はかかりますが、滞納したまま介護が必要になった場合、より大きな負担を抱えることになるので、お金が入る予定があるのであれば一時的に利用することも考えてみましょう。

働き方を見直す

自営業など自分で国民健康保険料と一緒に介護保険料を納めなければならない方の場合、働き方を見直し会社員への転職を考えることも必要です。会社員であれば会社が給与から天引きで納付してくれるので、延滞ということはほぼ起こりません。国民健康保険料(介護保険料)を支払えないくらい事業の業績が苦しいのであれば転職も視野に入れてみましょう。

介護保険料が払えないときのダメな対処方法

放置する

支払えないからとそのままにして督促にも応じない方もおられますが、これは絶対におすすめできません。まだまだ元気だから払わなくてよいと思いがちですが、時効を迎えてしまうと追納は不可能です。もし要介護状態になったとき、過去10年以内に追納できない未納があれば未納の内容に応じたペナルティを課せられることになります。働くこともできない状態で、日々の介護にかかる費用だけは満額自己負担、という最悪の事態にもなりかねません。

闇金など違法業者から借りる

どうしてもお金がないからと違法な業者から借りることも絶対にNGです。違法な金利で、あっという間に借金が膨れ上がってしまいます。闇金などから借りるしかない状況であれば、生活保護なども視野にいれ、市役所などで相談してみましょう。

介護保険料が払えなくなったらどこに相談すればいいのか?

市町村の担当窓口

介護保険料の支払いに行き詰ったら、まずは市町村役場に相談しましょう。原則納期限にそれぞれの期の分を支払うことになっていますが、どうしても支払いが出来ない場合、相談によって分納、猶予、減免などの対応をしてもらえる可能性があります。それぞれ一定の条件を定めていることが多いのですが、それに当てはまらない場合も誠実に相談し支払いの意思を見せることで融通をきかせてもらえるかもしれません。早い段階で払えないと相談しても怒られることはないので、あまり気負いせず問い合わせてみましょう。相談に出向く時間がない方は電話で相談するだけでも印象は違うので、出来るだけ早く行動を起こすことが大切です。

この調査内容の総括

介護保険は年々保険料が上がっており、保険者の負担は大きくなっています。そのため、滞納により差押えを受ける方や、介護保険の給付を十分に受けられない方も増えています。
介護保険料の基本的な考え方は、老後の不安を皆でお互いに支えあえる仕組みづくりです。負担が大きいからと納付しない方が増えると、この制度自体が成り立たなくなります。また、納付しなかった方は、実際に介護が必要となった時に介護保険給付を受けることが出来ず、日々多額の介護費用を負担することになります。近年介護にかかる費用の平均は月額7万円程度といわれています。その費用を何年も自費で払うのは非常に厳しいもので、介護保険の重要性を感じることでしょう。
介護保険が適用される介護サービスは幅広く、介護施設や老人ホーム等の費用、デイサービスや訪問介護の利用費、介護用ベッドなど用品のレンタル費用および購入費用、介護のためのリフォーム費用などがあります。それ以外の食費や日用品の費用などは対象外となるので、介護には非常に多くの費用が必要です。
介護保険料をしっかりと納めることは自分の老後のためはもちろんのこと、介護にかかわる家族や親せきの負担を減らすことにもつながります。だれがいつどのような形で要介護状態になるかはわかりません。全く介護を必要とせず一生を終えるかもしれません。どのような老後を送るかは誰にもわからないことであり、今の私たちに出来ることはどのような老後であれ、介護サービスを受けられるようにすること、家族に大きな負担を残さないよう保険料を納付することです。保険料を支払えないという方も、制度を利用しながら延滞を避けることで、老後の人生の楽しみをより広げることが出来るでしょう。

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