派遣登録時の身分証明書提出が必須な理由

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派遣登録説明会の持ち物リストに「身分証明書」と書いてあるのを見たことがある方も多いと思います。派遣登録に、なぜ身分証明書が必要なのでしょうか。今回は、派遣登録時に身分証明書が必須である理由について見ていきましょう。

身分証明書の提出はなぜ必要なの?

派遣登録時に身分証明書を提出するのはなぜでしょう。それには、2つの目的があります。

1.身元をはっきりさせるため

派遣会社は、自社に登録している派遣スタッフを派遣先企業に紹介するという責任のある役割を果たしています。そのため、信頼関係の構築できる身元の保証された人物を採用したいと考えています。

万が一、派遣したスタッフが企業で何か問題を起こした場合は、派遣会社の責任問題になりますし、被害の規模によっては、その企業とは取引停止となることもあり、派遣会社が大きな被害をこうむります。そんなときに、どこの誰だか分からないということでは困るのです。

身元の分かっている人を派遣することが、派遣会社にとって安心材料になり、派遣先に対するマナーとなるのです。つまり、身分証明書の提出は、派遣会社が派遣スタッフの身元確認を行い、きちんと管理することが目的です。

2.給与の支払いのため

身分証明書を提出するもう一つの目的は、口座の本人確認のためです。現在、派遣スタッフへの給与の支払い方法は、一部の日払いなどを除きほとんどが銀行など金融機関からの口座振込です。

そのため、振込先口座が本当に本人のものであるかどうかを確認するために、身分証明書を提出するという意味合いもあります。

身分証明書が派遣先企業に渡ることはない

身分証明書の提出が必要といっても、提出することに不安を覚える方は多いと思います。しかし、2005年に施行された個人情報保護法により、個人情報の取り扱い方法は厳しく定められており、これに違反した場合の罰則もあります。

また、求職者から預かった身分証明書や履歴書は派遣会社のみで使用し、就業先の企業に渡ることは決してありません。身分証明書の提出は派遣登録する際の当然の手続きですので、安心してください。

身分証明書とはどのようなものを指すのか?

身分証明書とは、氏名、現住所、生年月日が明記されている有効期限内の公的機関発行の証明書のことを言います。

身分証明書としてまず間違いないのは、運転免許証とパスポートです。しかし最近は、若者の車ばなれや旅行ばなれが問題になっており、どちらも持っていないという方も少なくありません。その場合、どういったものが身分証明書として有効なのか見ていきましょう

身分証明書として認められるものの一例

■運転免許証(原付免許も可)
■パスポート
■住民基本台帳カード(現在発行は終了していますが、期限が切れるまでは有効)
■マイナンバーカード(顔写真付きのもの)
■健康保険証もしくは国民健康保険証
■住民票
■国民年金手帳
■厚生年金手帳

また下記のものは、1種類では身分証明書の役割は果たさないものの、2種類あれば認められる場合があります。
▲学生証(顔写真付きのもの)
▲源泉徴収票
▲公的機関発行の納税証明書
▲公的機関発行の資格証明書(顔写真付きのもの)

身分証明書を提出する際の注意点

身分証明書の提出時には、住所が変わっていないか、有効期限が切れていないかを確認しましょう。

引越しの際、住所変更手続きはしましたか。また、有効期限に関しては免許証やパスポート、住民基本台帳カード、マイナンバーカードなどは注意が必要です。住民票は「発行から○ヶ月以内のもの」といった規定がある場合がほとんどです。(主に発行から6ヶ月)

派遣会社よっては、身分証明書の種類が限定されているケースもあるので、事前に問い合わせをして、どのような身分証を持参すべきか確認しておくとよいでしょう。

本人確認書類の住所と現住所が違う場合はどうする?

例えば、恋人と同棲してしたり、配偶者と別居していたり…、また何らかの事情があって、
住んでいる場所と本人確認書類に記載されている住所が異なるといった場合はどうすればいいのでしょう。

この場合、本人確認書類にプラスして電気、ガス、水道、NHK受信料などの公共料金や、携帯電話料金の領収書を提出すればOKであることも多いようです。ただし、派遣会社によっては、本人確認書類の住所と現住所は一致していなければ採用できない、というところもありますので、必ず確認をとってください。

住所不定の場合の身分証明書は?

身分証明書は、現在の住所が明らかであることが必須です。そのため、例えば家を出てインターネットカフェで生活している方や、仕事や住む場所がなく緊急保護センターにいる方などは、現状で派遣登録をすることは難しいかもしれません。

その場合は、収入が安定するまでの間、親戚や友人など一時的に居候させてくれる人にお願いし、現住所として申告させてもらうか、または、一部の地域にある住民票登録ができるインターネットカフェを利用するなどの方法があります。

派遣会社では前職調査を行うのか?

「前職調査」とは、転職をする際、その人物がどんな人なのか、前の勤務先でどのような働きぶりだったのかなどを調査することを言います。

雇う側としては、トラブルを起こしやすい人や、心身の健康状態に不安のある人はできれば避けたいもの。そういった人を採用してしまわないように、また、学歴・職歴・資格など本人が申告しているものに経歴詐称はないかを確認するために行います。

どのようなことを調査するのか

具体的な調査内容の例としては、以下のようなものがあります。
■以前の職場での勤務態度(長期の欠勤などはなかったかなど)
■退職理由
■性格
■病歴や持病の有無
■経歴や能力
■社会保険の加入歴

どのような方法で調査するのか

以前は、前職の人事宛に直接電話やメールなどをして確認する方法も取られていたようです。しかし現在は、問い合わせがあったからといって、個人情報を外部の人に簡単に教えることはあり得ません。

また、仕事をしながら派遣会社に登録している場合、転職活動が職場にバレてしまうようなことは派遣会社としても行えません。そのため、現在は興信所など調査の専門家にお願いするというのが一般的です。

前職調査の対象になるのはどんな人か?

前職調査は誰にでも行うわけではありません。採用後、何か問題が合った際に企業が被るリスクが高い人物に行います。

たとえば、給料が高い人や管理職など重要な役職につく人です。会社側は求職者の経験やスキルを買って採用を行うわけですが、万が一、学歴や職歴・経歴・仕事内容などに詐称があり会社が望んでいるような仕事ができなければ、大きな損害になります。

また、銀行や証券会社、保険会社などの金融系の業種や、銀行のお金を輸送する警備会社の採用の際にも前職調査を行うことがあります。

一般の派遣スタッフに前職調査をすることはほとんどない

興信所などを利用して前職調査を行うには、一人当たり数十万円のコストがかかります。

また、現在は個人情報保護法の観点から、本人の同意なしにプライバシーに関わる情報を得たり、提供したりすることは違法になります。そのため、前職調査をする際は本人に調査内容などの同意を得て、書面を交わす必要があります。

さらに、個人情報の保護が厳しくなったことで、調査を行ったとしても求職者の正確な情報を得ることが以前に比べてとても難しくなりました。

以上のような理由から、膨大な数の派遣スタッフ一人一人に対して、派遣会社が前職調査を行うことはまずあり得ません。ただし、だからといって、いい加減な経歴を書いて良いということではありません。万が一、前職調査をされても問題がないように、自分の経歴は正しく記入しましょう。

派遣会社へのマイナンバー提出は必要?

2016年1月から運用が開始された「社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)」。派遣会社にマイナンバー提出を求められた方もいらっしゃるのではないでしょうか。派遣会社に対して、なぜマイナンバー提出が必要なのかを見ていきましょう。

マイナンバーは社会保障と税金の手続きを行うために必要

マイナンバーとは、すべての日本国民につけられる個別の管理番号のこと。「社会保障」「税金」「災害対策」に関する手続きを、コンピューターを使用してスムーズに行うことを目的としています。このなかで派遣スタッフの

■社会保障:雇用保険や社会保険、年金の手続き
■税金:年末調整の手続き

を行うために、マイナンバーは必要になります。「マイナンバーを提出すると、個人情報を把握されそうで不安」と思う方も多いようですが、提出や通知は法令により義務づけられています。求められたら、きちんと応じましょう。

個人情報の取り扱いは厳重、そして一定期間を過ぎると削除される

派遣会社では、派遣スタッフの個人情報を保有しています。その取扱いは、非常に厳重です。個人情報の取り扱いにおけるルールとして、個人情報保護法が2003年に制定され、2005年に全面施行されました。

現在、派遣会社に登録されている個人情報は、各社ルールを定めて取り扱っていますが、一度登録した情報が、永久に残ることはありません。

派遣スタッフと派遣会社の最終コンタクトから一定時期経過した場合、または2年以上やりとりのないまま経過し、スタッフが意思確認の電話をして連絡が取れない時は削除する、といった規定があります。

そのため、長くても最終コンタクトから5年以内に、個人情報は派遣会社のデータから削除されることになっています。

派遣会社のホームページに「登録後、2年以上経過した場合は、再度登録会へいらしてください」と記載されていることからも、個人情報は一定期間で破棄されていることが分かるでしょう。

プライバシーマークを取得している派遣会社ならさらに安心

現在、日本社会全体が個人情報の取り扱いにはかなり敏感になっています。個人情報漏洩は、即業務停止につながるダメージの大きなもの。派遣会社も十分に注意を払っています。

でも、いくら注意深く取り扱うと言われても、不安を感じる方もいるでしょう。そのような場合は、登録商標としてプライバシーマーク、通称「Pマーク」を取得している派遣会社を選ぶという方法もあります。

Pマークとは、個人情報保護法よりもさらに厳しい規定を設け、個人情報の適正な取り扱いを行っている事業者に対して、使用が認められているもの。一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が、一定の要件を満たしている法人に対してのみ付与しています。

Pマークの取得には社内研修が義務付けられており、適切な管理に必要なシステムの構築・運用等が求められます。コストも手間も労力もかかり、決して簡単な手続きではありません。そのプロセスをきちんと踏んだ上でPマークを取得している派遣会社なら、安心して個人情報を預けられるのではないでしょうか。

身分詐称は犯罪です

派遣登録の際、仕事に就きたい一心で身分詐称をする人もなかにはいます。自分の年齢や学歴、経歴に不安を感じ、偽りたくなる気持ちは分からないでもありません。

「30代ということにしてしまおう」「本当はアルバイトだったけど、正社員だったことにしよう」「高卒だけれど、大卒ということにしよう」どれも、誰かの命に関わるような嘘ではありません。

しかし、身分詐称は立派な犯罪です。無事に登録でき、派遣先企業での仕事がスタートしたとしても、身分詐称が判明すれば即契約終了になります。

派遣会社としても、一度紹介したスタッフを、契約満了を待たずに退職させるというのは大きな痛手ですが、それ以上に身分を詐称したまま仕事を継続させるのは、許されないことなのです。

労働派遣法という法律の元、規律を守りながら業務を行っている派遣会社は、法を犯してまで登録しようとしている応募者を、そのまま登録させるわけにはいかないのです。

まとめ

身分証明書の提出が必要な理由、お分かりいただけたでしょうか。

個人情報の保護に非常に敏感になっている現代、実際に個人情報を悪用した事件を耳にすると、提出することに不安を覚えてしまう方もいるかもしれません。

しかし派遣会社は、自社のスタッフを企業に派遣するという非常に重い責任を負っている以上、どこの誰かも定かでない人物を採用することは非常にリスクを伴うのです。

日払いや週払いなどの短期の派遣の場合、履歴書不要というところはありますが、身分証明書の提出が必要ないという派遣会社はまずありません。

仕事に就く以上、正社員であっても派遣社員であっても身分証明書の提出は必須だということを理解しておきましょう。


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